お家の断熱・気密がとても大切な4つの理由
快適な家造りのためには、お金やデザイン性も大切ですが、目に見えにくい部分にも目を配る必要があります。
家造りに大切で、かつ見えにくいものの代表例が断熱・気密に関することです。
断熱・気密に配慮されていない家の場合、お部屋の中の室温が同じであったとしても、実際に体で感じる体感温度や、床や壁の表面温度には大きな違いが生じます。
家造りにおける断熱・気密の大切なポイントを、ここでは4つ挙げてみます。
1 体感温度を改善する
冒頭で述べたように、断熱・気密に配慮されたお家では、同じ室温でも体感温度が変わります。
例えば屋根や外壁は太陽の光を浴びることで熱せられることで室温が上がります。また雪が降り積もることで冷たい外気温が室温を下げることにつながります。
このように断熱とは、外からの熱の侵入を防ぐことで室内の表面温度が上がらないように、または下がらないようにすることで、快適な体感温度を保つことができるようになります。
2 冷暖房室の温度ムラを改善する
床、壁、天井などの断熱性能が低いほど、その部屋の上と下との間に生ずる温度差は大きくなります。
たとえば古い住宅などの場合、足元は寒いのに頭の方は暑く感じてしまい、冷えのぼせ(冷え症の重度な症状のこと。 普段冷えを感じていて、手や足が冷えているのに顔や頭がボーっと熱くなることがあるような)状態になってしまうことがあります。
こうした冷えのぼせ状態につながるのも、断熱性能が低いことが要因のひとつです。きちんとした断熱処理を施すことで部屋全体を一定の温度に保つようにすることが大切です。
3 ヒートショックの予防
暖房をしている部屋としていない部屋との温度差が大きいと、これらの部屋を行き来した時にヒートショック(温度の急変で体がダメージを受けること)を起こしてしまうことがあります。
冬の寒い日に外に出て体が冷やされた状態から、お風呂や温泉など急に温かいところに入ったとたん、体の調子がおかしくなることなど、北国ではとくに起こりやすい症状です。
統計によれば1年を通じた救急搬送の数を比較した場合、外気温が温かい夏よりも、外気温が低い冬にかけて救急搬送の数が多くなる傾向があります。その一因にヒートショックが挙げられると言われています。
断熱処理を適切に施すことで暖房しているお部屋としていないお部屋との温度差を少なくし、ヒートショックなどが起因する脳疾患や心疾患などを防ぐ効果が見込めます。
4 省エネは家計にもやさしい
断熱性能が高いお家は、お財布にも優しいお家になります。
- 1. 部分的に必要なときだけ暖房をした時
- 2. 居室だけに連続的に暖房をした時
- 3. すべてのお部屋に暖房をした時
上の3つの場合で暖房費を比較した場合、3の「すべてのお部屋に暖房」を使っていくと、断熱性能が高くなっていくほど暖房費用が減っていくという統計があります。
暖房費用だけ考えれば1の「部分的に必要なときだけ暖房をした時」が最も安いのですが、その場合は上で述べたヒートショックなどの問題が生じます。
優れた断熱性能を考慮することで、体にも家計にも優しい家造りにつなげることができるでしょう。